投資信託には、投資する資産や地域、業種、運用方法などによって、さまざまな種類があります。
同じ株式に投資する商品でも、投資する国や地域、業種などによって値動きや特徴は変わります。
この記事では、投資信託を選び、積み立て、保有していくうえで知っておきたいポイントを整理していきます。
1.投資信託の投資先
投資信託の投資先は、主に次の5種類があります。
株式
企業の株式に投資します。
企業の成長や利益の拡大によって株価の上昇が期待できる一方、景気や企業業績などによって大きく値下がりすることもあります。
REIT
不動産に投資します。
オフィス、住宅、商業施設、ホテルなど、さまざまな不動産を投資対象とします。
不動産から得られる賃料などが収益の源泉になる一方、金利や景気、不動産市場の影響も受けます。
債券
国や企業などが発行する債券に投資します。
一般的には株式より値動きが小さい傾向がありますが、金利や信用リスクなどの影響を受けます。
金
金価格への連動を目指す投資信託があります。
株式とは異なる値動きをすることがあり、ポートフォリオの分散先として考えられます。
コモディティ
原油、穀物などの商品価格への連動を目指す投資信託があります。
同じコモディティでも、何に投資するかによって値動きは大きく異なります。
このように、投資信託を選ぶときは、まず何に投資しているのかを見ることが重要です。
2.同じ資産でも、どこに投資するかで変わる
株式、REIT、債券などは、投資する地域によっても特徴が変わります。
代表的なのが、
- 全世界
- 先進国
- 新興国
- 一国
という分け方です。
例えば株式なら、日本株、米国株、全世界株式などがあります。
さらに、地域だけでなく、特定の業種やテーマに絞った投資信託もあります。
例えば、
- 株式:AI、半導体、ヘルスケアなど
- 債券:長期、短期、インフレ連動債(TIPS)など
- REIT:住宅、商業施設、ホテルなど
- コモディティ:原油、穀物など
のように、投資対象をさらに細かく分けることができます。
つまり、株式に投資するというだけでは、まだ投資先の特徴は決まりません。
どの地域なのか、どの分野なのかまで見ることで、その投資信託がどのような値動きをしやすいのかが見えてきます。
▶ 投資信託の地域・セクター・テーマを詳しく見る
3.景気循環から投資先を考える
景気は、ずっと同じ状態が続くわけではありません。
一般的には、
- 回復
- 好況
- 後退
- 不況
といった景気循環があります。
景気の状態によって、株式、債券、REIT、金、コモディティなど、資産ごとの値動きにも違いが出てきます。
さらに株式でも、業種によって景気への反応は変わります。
投資先を考えるときには、
「この資産は何に強いのか」
「逆に、何が起きると弱いのか」
という視点を持っておくと、その後の値動きも考えやすくなります。
▶ 景気循環と投資先の関係を詳しく見る
4.為替を考える
海外の資産に投資する場合、投資先の価格だけでなく、為替の変動もリターンに影響します。
例えば海外株式に投資する場合、株価が上昇していても円高が進めば、円換算でのリターンが小さくなることがあります。
反対に円安が進めば、為替がプラスに働くこともあります。
また、投資信託には為替ヘッジあり・なしの商品があります。
海外資産に投資するときは、
「投資先の値動き」+「為替の値動き」
という2つの視点から考える必要があります。
▶ 為替ヘッジあり・なしを詳しく見る
5.NISAで投資する
投資信託を購入するなら、NISAも重要な選択肢になります。
現在のNISAには、
- つみたて投資枠
- 成長投資枠
があります。
ただし、すべての投資信託がどちらの枠でも購入できるわけではありません。
投資信託を選ぶときには、どのNISA枠で購入できるのか、そもそも対象なのかを確認しておく必要があります。
▶ NISAで投資信託を選ぶ方法を詳しく見る
6.投資信託の積立を考える
投資信託の積立では、何を買うかだけでなく、「いくら・いつ・どのように買うか」も重要です。
積み立てる金額や頻度、購入方法によって、実際の買い方は変わってきます。
積み立てる金額
毎回いくら投資するのかを決めます。
例えば毎月1万円、3万円、5万円など、自分の資産状況や投資目的に合わせて設定します。
重要なのは、相場が好調なときだけでなく、下落相場になっても無理なく続けられる金額にすることです。
積み立てる頻度
積立頻度には、
- 毎日
- 毎週
- 毎月
- 毎年
などがあります。
頻度によって1回あたりの購入額や購入タイミングが変わります。
長期投資では、積立頻度だけでなく、投資する金額や期間、資産配分なども含めて考えることが大切です。
積み立てる方法
投資信託では、一定の金額を購入する方法と、一定の口数を購入する方法があります。
一定金額で購入する場合、基準価額が高いときには少ない口数を、安いときには多い口数を購入することになります。
こうした買い方を続けることで、購入価格を平均化していく考え方がドルコスト平均法です。
引き落とし方法
積立金額の支払い方法にもいくつかあります。
代表的なのが、
- 銀行口座からの引き落とし
- クレジットカード積立
です。
証券会社によって利用できる方法や条件が異なるため、自分に合った方法を選ぶことになります。
▶ 投資信託の積立金額・頻度・方法を詳しく見る
7.暴落したときに考える
投資信託を選ぶとき、上昇したときのことだけを考えるのは危険です。
むしろ、
「この投資信託は、暴落したらどうなるのか?」
を考えておくことが重要です。
株式、REIT、債券、金、コモディティでは、それぞれ値下がりする理由や値動きの大きさが異なります。
投資する前に「どんなときに下がりやすいのか」を知っておけば、実際に暴落したときにも判断しやすくなります。
▶ 投資信託が暴落したときの特徴と考え方を詳しく見る
8.リターンで考える
投資をする以上、どれくらいのリターンを期待できるのかも重要です。
資産によって期待できるリターンは異なり、一般的には株式は大きな成長を狙える一方、値動きも大きくなります。
債券は株式より値動きが抑えられる傾向がありますが、その分、期待できるリターンも異なります。
つまり、
「どれが一番儲かるか」だけではなく、「そのリターンを得るために、どれだけの値動きを受け入れるのか」
まで考える必要があります。
▶ 資産ごとのリターンを詳しく比較する
9.リスクとリターンで考える
リターンだけを比較しても、投資先の良し悪しは判断できません。
同じようなリターンを得られる投資先でも、一方は大きく値動きし、もう一方は比較的安定しているかもしれません。
そこで、
「どれだけのリスクを取って、そのリターンを得たのか」
という視点が重要になります。
ここで登場するのがシャープレシオです。
シャープレシオを見ることで、リターンだけでは分からない、リスクに対するリターンの効率を考えることができます。
▶ シャープレシオを詳しく見る
10.値動きの違う資産を組み合わせる
投資信託を複数組み合わせる場合、単純にたくさん持てば分散できるというわけではありません。
重要なのが相関関係です。
同じような値動きをする資産をいくつ持っていても、一緒に下落してしまえば、分散効果は限定的です。
一方で、値動きの異なる資産を組み合わせることで、ポートフォリオ全体の値動きを抑えられる場合があります。
イメージとしては、
「全部の波を同じタイミングで受けるのではなく、波のタイミングをずらす」
という考え方です。
▶ 投資信託の相関関係を詳しく見る
11.ポートフォリオを作る
複数の投資先を組み合わせて、自分のポートフォリオを作ります。
例えば、
- 株式
- 債券
- REIT
- 金
などを組み合わせます。
どの資産を何%持つかによって、リスクとリターンは変わります。
▶ 投資信託のポートフォリオを詳しく見る
12.有名なポートフォリオを見てみる
世の中には、さまざまな考え方に基づいたポートフォリオがあります。
例えば、
- 株式中心
- 株式+債券
- 株式+金
- 複数資産への分散
などです。
こうした有名なポートフォリオを見てみると、なぜこの資産を組み合わせるのかという考え方が分かりやすくなります。
自分のポートフォリオを考えるときの材料として見てみるのも面白いでしょう。
▶ 有名なポートフォリオを比較する
13.効率的フロンティアという考え方
ポートフォリオについて考えていくと、効率的フロンティアという考え方にもつながります。
同じ程度のリスクなら、より高いリターンを目指したい。
同じ程度のリターンなら、できるだけリスクを抑えたい。
そんな、リスクとリターンのバランスが良い組み合わせを考えるための考え方です。
難しく感じる言葉ですが、
「どの資産を、どの割合で組み合わせると効率がいいのか?」
という話だと考えると分かりやすくなります。
▶ 効率的フロンティアを詳しく見る
14.投資信託のコストを見る
投資信託を選ぶときは、リターンや値動きだけでなくコストも確認しておきたいポイントです。
代表的なものには、
- 信託報酬
- 購入時手数料
- 信託財産留保額
- その他の実質的なコスト
などがあります。
長期間保有する場合、わずかなコストの違いでも積み重なります。
同じような投資対象の商品を比較するのであれば、コストの違いも確認しておきましょう。
▶ 投資信託のコストを詳しく見る
15.リバランスをする
最初に決めた資産配分も、時間が経つと変わっていきます。
株式が大きく上昇すれば、ポートフォリオの中で株式の割合が高くなることがあります。
そこで、もともと決めていた配分に戻すことをリバランスといいます。
売却して調整する方法だけでなく、新しく入れる資金を少ない資産に回すことで調整する方法もあります。
ポートフォリオを作った後は、その配分をどう維持するのかも考えておきたいところです。
▶ リバランスの方法を詳しく見る
16.最後はどう売るか
投資信託は、買って終わりではありません。
資産形成の目的によっては、最後に売却してお金を使うことになります。
例えば、
- 必要な分だけ売る
- 複数回に分けて売る
- まとまった金額を一度に売る
など、さまざまな方法があります。
また、利益が出たときに売るのか、必要になったときに売るのかなど、売却の考え方も人によって変わります。
「いつ買うか」だけでなく、「どう売るか」まで考えておく。
これも長期投資では重要なポイントです。
▶ 投資信託の売却方法を詳しく見る
まとめ
投資信託には、さまざまな投資先や運用方法があります。
まずは、何に投資するのか、どの地域や分野に投資するのかを確認します。
そこから、景気・為替・リターン・リスクを見て、複数の資産を組み合わせるなら、相関関係やポートフォリオまで考えていきます。
さらに、積立金額・積立頻度・NISA・コスト・リバランス・売却まで考えることで、投資信託との付き合い方が見えてきます。
投資信託を選ぶときは、商品名や人気ランキングだけでなく、何に投資していて、どんな値動きをするのかまで見ておきましょう。


