「全世界」「先進国」「新興国」という言葉は、投資信託を選んでいるとよく目にします。
なんとなく「全世界なら幅広く分散できる」「先進国なら安定していそう」「新興国なら成長しそう」というイメージはあっても、実際に何が違うのか、株式と債券でどう考えればいいのかは、少し分かりにくいところです。
この記事では、「全世界・先進国・新興国」の違いを整理したうえで、私が株式と債券で投資する地域を分けて考えている理由を説明します。
では、まずそれぞれの違いから整理していきます。
全世界・先進国・新興国の違い
投資信託を選ぶときは、どの国・地域を投資対象にするかによって、特徴や値動きの傾向が変わります。
全世界
全世界は、先進国と新興国を含め、世界中の国・地域に幅広く投資する考え方です。
ただし、すべての国に同じ割合で投資するわけではありません。一般的には、世界の株式市場における規模などに応じて組み入れ比率が決まります。
つまり全世界は、「どの国が将来伸びるかを自分で決めず、世界全体に分散しておく」という考え方です。
先進国
先進国は、経済や金融市場が比較的成熟している国々を中心に投資します。
米国や日本、欧州の主要国などが代表的です。
新興国と比べて急激な成長を狙うというより、成熟した市場や企業に幅広く投資する選択肢と考えると分かりやすいでしょう。
もちろん、先進国だから値下がりしないわけではありません。
新興国
新興国は、これから経済や市場の成長が期待される国々を中心としたカテゴリーです。
高い成長が期待される一方で、政治・経済・為替・市場制度などの不確実性も大きくなりやすいという特徴があります。
そのため、「成長を狙える可能性がある一方、値動きも大きくなりやすい」と考えると分かりやすいでしょう。
ここまでを簡単に整理すると、次のようになります。
| 区分 | 大まかな特徴 | 投資の考え方 |
|---|---|---|
| 全世界 | 先進国・新興国を幅広く含む | 特定の国に絞らず分散する |
| 先進国 | 比較的成熟した経済・市場 | 成熟した市場に幅広く投資する |
| 新興国 | 成長が期待される市場 | 成長を狙う一方、値動きも受け入れる |
こうした違いを踏まえて、私は株式と債券で投資する地域を分けて考えています。
株式と債券の選び方
私は、株式は全世界、債券は先進国という組み合わせで考えています。
理由は、株式と債券に期待している役割が違うからです。
株式
株式には、長期的に資産を増やす役割を期待しています。
そう考えると、「それなら、より高い成長が期待できる新興国に集中すればいいのでは?」と思うかもしれません。
確かに、新興国には高い経済成長が期待される国があります。
一方で、先進国にも世界を代表する企業が数多くあり、常に新興国の方が高いリターンを上げるとは限りません。時期や期間によっては、先進国の方が優れたリターンを上げることもあります。
将来、どの地域が最も成長するのかを事前に決めることは簡単ではありません。
そこで私は、新興国か先進国のどちらかに絞るのではなく、両方を含めた全世界に投資しておくという考え方をしています。
債券
一方、債券には株式ほど積極的な成長を求めていません。
むしろ、ポートフォリオ全体の値動きを抑える役割を期待しています。
もちろん、先進国債券だから必ず安全というわけではなく、金利や為替によって価格が動くこともあります。
それでも、大きな成長を狙うよりも株式の値動きを和らげる役割を期待するなら、私は先進国債券を選ぶという考え方になります。
分散投資は平均点
ここまで私は、株式には全世界に分散して投資するという考え方を説明してきました。
一方で、「特定の一銘柄や、特定の地域に絞った方が、より高いリターンを得られるのではないか」という考え方もあります。
これは、決して間違った考え方ではありません。特定の企業や地域が大きく成長すれば、幅広く分散して投資するよりも、高いリターンを得られる可能性があります。
一方で、分散投資は、言ってしまえば「平均点を取りにいく」ような投資です。
100点を狙わない代わりに、大きく外すことも避ける。それが、分散投資の考え方なのだと私は考えています。
ただ、どの選択が正解なのかは、誰にも分かりません。
だからこそ私は、自分が納得できる投資方法を選ぶことが大切だと考えています。
自分で考えて選んだ方法であれば、結果がどうであっても、その経験から学ぶことができます。たとえ含み損を抱えたとしても、自分の投資方針に確信を持っていれば、焦って方針を変えてしまうことも少なくなるでしょう。
投資における唯一の正解は、誰かが決めた正解ではなく、自分自身で考え、自分に合った方法を選ぶことなのだと思います。
まとめ
全世界・先進国・新興国には、それぞれ特徴があります。
私はその違いを踏まえて、株式は全世界、債券は先進国と考えています。
株式には長期的に資産を増やす役割を期待し、債券には値動きを抑える役割を期待しているからです。
また、特定の国や地域を予想するよりも、できるだけ幅広く分散して、なるべく放置できる形にしておきたいと考えています。
もちろん、成長性を重視して新興国への投資比率を高めたり、特定の地域に絞ったりする考え方もあります。
大切なのは、自分が投資にどんな役割を求めて、どの方法なら無理なく続けられるかを考えることだと思います。

