専業投資家というと、
「会社に縛られず自由に生活できる」
というイメージが先行しがちです。
しかし実際に大きなメリットとなるのは、
税金や社会保険料の仕組みが会社員とは異なること
かもしれません。
株の利益にかかる税金は約20%
上場株式の譲渡益や配当金には、原則として約20.315%の税金がかかります。
内訳は、
- 所得税:15%
- 住民税:5%
- 復興特別所得税
です。
つまり、株で1,000万円の利益が出た場合、税金は約203万円。
手元には約797万円が残ります。
5,000万円でも、1億円でも、基本的な税率は変わりません。
給与所得のように、所得が増えるほど税率が上がる累進課税とは違う仕組みです。
会社員が年収1,000万円を稼ぐとどうなるか
では、会社員として年収1,000万円を稼いだ場合はどうなるのでしょうか。
会社員の場合、引かれるのは所得税と住民税だけではありません。
- 所得税
- 住民税
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
などが給与から差し引かれます。
扶養状況や自治体によって異なりますが、年収1,000万円の会社員が負担する金額は、おおむね次の通りです。
- 社会保険料:約134万円
- 所得税:約81万円
- 住民税:約63万円
合計すると、約278万円です。
つまり、額面年収1,000万円でも、手元に残るのはおおむね720万円前後になります。
ここで重要なのは、
会社員は税金だけでなく、社会保険料の負担もかなり大きい
ということです。
では、投資家はどうだろうか
専業投資家が加入するのは通常、
- 国民年金
- 国民健康保険
です。
会社員のように厚生年金や会社の健康保険に入るわけではありません。
ここから、会社員と投資家の差が出てきます。
国民年金は所得に関係なく定額
まず国民年金は、所得に関係なく定額です。
例えば、
- 年間利益100万円
- 年間利益1億円
であっても、支払う保険料は同じです。
現在は年間約21万円程度となっています。
会社員の厚生年金のように、収入が増えるほど保険料も上がる仕組みではありません。
国民健康保険は「確定申告しない場合」がポイント
専業投資家にとって重要なのが国民健康保険です。
国保は自治体によって計算方法が異なりますが、主に
- 所得割
- 均等割
- 平等割
などで決まります。
ここでポイントになるのが、
特定口座(源泉徴収あり)で運用し、確定申告をしないこと
です。
例えば、
- 給与所得:0円
- 株式利益:1,000万円
- 特定口座(源泉徴収あり)
- 確定申告なし
というケースを考えてみます。
この場合、株の利益にかかる税金は証券会社がすでに徴収しています。
1,000万円の利益なら、税金は約203万円です。
手元には約797万円残ります。
さらに、確定申告をしなければ、国保の計算に使われる所得が抑えられます。
その結果、自治体によっては国民健康保険料が年間数万円〜十数万円程度で済みます。
国民年金も定額なので、年間約21万円前後です。
つまり、ざっくり言えば
- 株利益:1,000万円
- 税金:約203万円
- 国民健康保険:約5〜20万円程度
- 国民年金:約21万円
というケースになります。
もちろん、実際の保険料は自治体や家族構成によって異なります。
それでも、会社員のように収入が増えるほど社会保険料も大きく増えていく仕組みとは違う、という点は知っておいて損はありません。
専業投資家が意識していること
専業投資家の多くは、
- 株式利益は約20%課税
- 国民年金は定額
- 国民健康保険は申告しないことで負担を抑えられる
という点を意識しています。
そのため、
- NISAを活用する
- 特定口座(源泉徴収あり)を利用する
- 不要な確定申告を避ける
といった工夫を行うことがあります。
まとめ
株の利益にかかる税金は約20%です。
1,000万円の利益なら、税金は約203万円。
一方で会社員が年収1,000万円を稼ぐと、所得税・住民税に加えて社会保険料もかかるため、負担額は約278万円前後になります。
さらに専業投資家は、
- 国民年金が定額
- 国民健康保険は確定申告しないことで負担を抑えられる
という特徴があります。
もちろん、投資には元本割れのリスクがあり、利益も保証されていません。
それでも制度面だけを見ると、一定以上の利益を継続して得られる投資家は、会社員より税金や社会保険料の面で有利になります。
お金を増やす方法だけでなく、お金がどのように課税され、どのような制度の中で運用されているのかを知ることも、資産形成を考える上では大切だと思います。
※国民健康保険の計算方法は自治体によって異なり、制度も変更される可能性があります。実際の保険料については、お住まいの自治体へご確認ください。
